『偵察員』―"KGBに入ることを選ぶのは自分ではない。あなたを選ぶのはKGBだ。"
『偵察員』―採用から訓練まで。フランスの行政機構に潜入するためENAに入学した唯一のKGBスパイ、その驚くべき実話
"KGBに入ることを選ぶのは自分ではない。あなたを選ぶのはKGBだ。"17歳でモスクワの国立国際関係大学(MGIMO)に入学したセルゲイ・ジルノフは、まもなく自らの歩みがKGBに導かれることになるとは想像もしていなかった。
しかしKGBは、彼を諜報員の最精鋭である「偵察員」に選んでいた。それは、敵対する西側社会の一員になりすまし、長期にわたって深く潜入する任務を負う「非合法工作員」を指す。訓練は通常の課程から外れた秘密裏のもので、選ばれた者は自国で一般市民としての生活を送りながら、同時に秘密工作員としての道を歩まねばならない。
当局が準備は整ったと判断すると、偵察員はソ連で最も謎に包まれた「森の学校」に入り、KGB将校共通の課程を履修する。セルゲイは徐々に嘘をつき、欺き、操る術を学び、やがてパリのENA(国立行政学院)に潜入する。フランスや外国の未来の高級官僚を輩出するこの学校で、将来の「標的」を見定めるためだ。
幼少期から任務に至るまで、共産主義がなお支配しながらも終焉を目前にした広大な国で、セルゲイ・ジルノフの非凡な日常をたどる。彼とともにソビエト連邦とその実働機関KGBの崩壊を目撃し、諜報技術、弱みを握るための材料「コンプロマート」、特殊部隊スペツナズ、そして処刑される裏切り者たちの実態を知る。
そして、空白は長く続かない。セルゲイ・ジルノフは、SVRとFSBの創設によってチェーカーの系譜を引く組織が再生するのを目にする。
以来、彼は幾度も接点のあった謎めいた人物、ウラジーミル・プーチンのロシアで、情報機関がどのように利用されているかを鋭く見つめてきた。過去と現在のロシア諜報活動を真に理解したければ、『偵察員』は必読である。
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