ヒトラーのユダヤ系の友人エミール・モーリスとナチズムの黎明期
ユダヤ系の出自を持つエミール・モーリスは、アドルフ・ヒトラーの親友であり、SAと、SSの母体となったStrosstrupp Hitlerの創設者だった。ランツベルク刑務所では『我が闘争』の原稿作成にも携わった。
エミール・モーリスのきわめて特異な生涯を通じ、本書は主に1919年から1933年にかけての、あまり知られていないながら歴史上決定的な時期を描く。希少な白黒・カラー資料を用い、トゥーレ協会から生まれたDAPの初期、1919年のミュンヘンのレーテ政権と義勇軍の戦闘、ミュンヘン一揆、ランツベルク刑務所、全隊員の名簿と身元情報を伴うStosstruppの歴史、ゲリ・ラウバル事件などを詳細に取り上げる。著者が入手したエミール・モーリスの未公開文書を一部に含む、未公開またはほとんど知られていない写真・資料も収録。
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エミール・モーリスはアドルフ・ヒトラーの最初期からの同志で、ユダヤ人の曽祖父を持ちながらも、確固たる愛国主義者だった。1919年末には、後のナチ党の母体となるDAPに加入。1921年には、後のSAにつながる最初の側近警護隊を率いた。1923年初めには、SSの母体となるStosstruppでベルヒトルトの副官を務め、同年11月9日のミュンヘン一揆に積極的に参加した。
逮捕されたモーリスは、ランツベルク刑務所でアドルフ・ヒトラーの身近に仕え、いわばその世話役となって友人になる。ヒトラーに親称で話しかけることを許された数少ない人物の一人だった。また、『我が闘争』の原稿のタイプ打ちにも携わり、原稿を密かに刑務所から持ち出した。演説家ヒトラーのこの友人は、やがてその運転手となり、SSの共同創設者にしてナンバー2にもなる。しかし1927年末、ヒトラーの姪ゲリ・ラウバルをめぐって両者は決裂した。
両者は1933年に和解し、エミール・モーリスはSS上級大佐となる。結婚に際してはヒトラーから特例の許可を得た。ユダヤ系の出自を持ちながらこの許可を得たSS将校は、彼ただ一人だった。しかし彼の歩みを通じて描かれるのは、主に1919年から1927年にかけての、これまでにないナチズム初期の歴史でもある。未公開またはほとんど知られていない情報と、約600点の写真・文書からなる豊富な図版を通じ、ドイツにおける反ユダヤ主義の発生、バイエルン革命と義勇軍、トゥーレ協会(著者はその紋章のカラー版を発見した)、フランスでは知られていないが重要な役割を果たした政党や運動、1923年11月9日の一揆、突撃隊Stosstruppの詳細な歴史、ゲリ・ラウバルは自殺したのか、といった歴史の大きな一章を一気に読み通せる。
そこから浮かび上がるのは、何も発明していないにもかかわらず、他人の発見を自らの功績としたヒトラーの姿である。歴史の大きな一章に関する、未公開の驚くべき資料を収録。
- 著者1
- Georges Bernage
- 出版日
- 2020年11月
- ページ数
- 480
- イラスト
- 写真600点以上
- 表紙
- ハードカバー
- 言語
- フランス語
- 出版社
- Heimdal
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