遠征するローマ軍団:トラヤヌスの記念柱
遠征するローマ軍団:トラヤヌスの記念柱

遠征するローマ軍団:トラヤヌスの記念柱

L20160190
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トラヤヌスの記念柱は、ローマで最も壮観な記念建造物の一つであり、ローマの軍事力を象徴する。ローマを代表する建築家の一人、ダマスカスのアポロドロスが手がけたもので、彼がトラヤヌス帝のために建設したフォルムの一部をなしていた。柱を巡る長大な浮彫りの帯は、ローマ軍がダキア(現在のルーマニア)を併合するために行った二度の遠征を物語る。長さの異なる140の場面には、戦争の主要な出来事、軍の移動や戦闘のほか、交渉、都市の包囲、略奪、騎兵同士の交戦までが詳しく描かれている。実戦に臨むローマ軍を研究するうえで、極めて貴重な史料である。彫刻家たちは、近衛兵、軍団兵、補助兵、ローマに仕える外国人部隊など、さまざまな兵種を文献史料よりもはるかに詳細に表現した。軍装や装備の細部も記録されている。軍事作戦には外洋船と河川船など数種の船舶、重兵器の輸送、荷車、バリスタなどが用いられた。各段階で築かれた要塞化された野営地についても、記念柱はその建設方法を示している。さらに、ローマ軍の戦術を知る史料でもある。軍団兵と補助兵それぞれの役割や専門分野を見分けられるほか、補助騎兵や勝利に貢献したマウリ人部隊など、騎兵の重要な役割も読み取れる。記念柱にはダキア兵とその同盟者も詳しく描かれている。蛮族世界の人々の軍事習慣だけでなく、暮らし、都市、要塞などについても豊富な情報を伝える。すべての場面に解説と図版を付した。
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